適切な評価で社員のモチベーション向上へ!~人事評価を行うときに注意したい6つのポイント~

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『人事評価』
人を評価することは難しいですし、悩みますよね。

「部下の給与や昇進にダイレクトに影響するから責任重大だよ。
しかも本人が納得のいく評価をしたいし・・・適切な評価って、どうすればいいの???」と、評価時期のたびに頭を抱えるかたも多いのではないでしょうか。

弊社も少しずつですが「社員のために出来ること」にいろいろと取り組んでいて、その中でも人事評価ではトライ&エラーを繰り返しています。
そこで、人が人を評価をするにあたって注意したいことをまとめてみました。

人事評価の目的

人事評価をする前に、そもそも人事評価をする目的とは、いったい何でしょうか?
「給与や賞与を決めるもの(給与査定)」が頭に浮かぶかも知れません。
また「昇進・昇格」や「人事異動」「配置転換」などもありますね。

結果として、給与や賞与に差をつけるものにはなりますが、人事評価の目的は、単にそれだけではないのです。
それ以上に求められることは、部下のもつ能力や技術、知識など「強み・弱み」を把握することで、 「人材の育成」と「能力開発」を確実におこなうための基礎データにすること。
さらには、その基礎データをもとに社員を「育てる」ことで、「社員のモチベーション向上」と「経営(組織)目標を達成」することが目的になります。

人事評価するときの注意点

では、人事評価を適切におこなうために、大切なことは何でしょうか?
それは「仕事ぶりをきっちり見ること」と「その事実にもとづいた評価をすること」で、評価する人される人がお互いに納得できる評価をすることといえます。

また、一度ズレた評価をしてしまうと、後から修正が難しい点も評価する人の悩みどころですよね?
間違った評価で人材を配置してしまうと、経営や組織の方針とのズレが生じるので、人材活用の面でのマイナスもありますし、何よりも社員のモチベーションがガックリ下がるのは痛い!!のではないでしょうか?

「納得性の高い評価」をするためには、評価する人が事実を客観的に見る目をもつことが求められるのです。

そんなこと言われたって、そんな目をもつにはどーすりゃいいの?ですよね(笑)

人事評価は、人が評価することなので、感情や主観が多少なりとも入ってしまうもの。
人をカンペキに評価することなんて出来っこありません!(断言)

しかし、評価の目的や評価するときに、自分の特性から注意したいことを知っていれば、人事評価のエラーを最小限に防ぐことができます。
つまりは、人事評価の注意点を知ることで、自分で「あ、今悪い傾向が出ているな!」と気が付き、軌道修正につながるからです。
次からは、評価者が注意したい評価するときの「傾向」を、具体的に見ていきましょう。

人事評価のエラーはどんなこと?
―エラーを最小限にするために注意すること―

人事評価のエラーには、次のような傾向があります。

(1)ハロー効果
(2)寛大化傾向
(3)中心化傾向
(4)対比誤差
(5)論理的誤差
(6)期末効果

それぞれのエラーを見ていきましょう。

(1)ハロー効果

目立つ特徴に引きずられて、実態や状況を見誤る現象のことです。
「ハロー(Halo)」とは「後光」という意味で、後光が射しているときの輝きやぼんやりした印象に惑わされ、全体の特徴をとらえてしまいうといったニュアンスがあります。
つまり、あるひとつの部分的な印象や行動により、他の評価をしてしまう間違いなのです。
部下の行動で何かひとつでも良いところがあると、他でも良い評価にしたり、逆に何かひとつでも悪いところがあると、他も悪い評価にしてしまうという、評価する人の思い込みが原因で起こるエラーなのです。

例えば、
・事例1: 一生懸命に仕事をしている人は、「責任感」が高いと評価するだけでなく、「積極性」も「協調性」も高い評価をする。
・事例2: 普段からまじめな生活をしている人は、仕事の質もよいと評価してしまう。
・事例3: 自分が苦手なことが得意な人は、他の仕事も「できる」と評価してしまう。
・事例4: 仕事の質ですばらしい能力がある人は、作業スピードに難点があっても良い評価をしてしまう。
・事例5: 有名大学を卒業している人は、仕事も「できる」と評価してしまう。

このエラーを防ぐためには、

A) 評価項目の意味をひとつひとつ良く理解をする

「事例1」をとって見てみましょう。
「責任感」とは、自分のやるべきこと(役割)をどんなことがあっても最後までやろうとする意欲ですが、「積極性」は、自分から進んで難しいことに挑戦しよう、改善・提案しようとする態度ですし、「協調性」は、自分のやるべきことをやったうえで、組織にプラスになる行動をすることです。
つまり、「一生懸命に仕事をしている」ことは「責任感」には当てはまりますが、「積極性」や「協調性」には当てはまりません。
このように、評価項目はひとつひとつに違う意味をもっているので、その意味を良く理解して、事実を評価項目に当てはめていくことが、人事評価のエラーを防ぐことになるのです。

B) 具体的な事実を確認する

「あの人は良い人」「あいつはダメだ」「あの人は嫌いだな」といった、「好き・嫌い」という漠然とした人物評価は、適切な評価とはいえませんね。部下を評価する前に自分を見直しましょう(笑)
日々の職務行動をよく観察して、その事実を積み上げていくことで評価を行うようにしましょう。

C) 先入観や偏見を取り除く

「前期が良かったから(悪かったから)、今期も良いはずだ(悪いだろう)」といった先入観や、男女、年齢に対する偏見など、自分がもっているイメージをなるべく捨てましょう。
先入観や偏見に囚われないよう努めることも、エラー防止には大事なことです。

(2)寛大化傾向

人事評価は人が人を評価するので、時に甘く評価したり、逆に厳しく評価したりと「甘辛」はあるのですが、その中で実際よりも「甘く」なるのが「寛大化傾向」です。

次のような場合で寛大化傾向になりがちです。

・パターン1: 義理人情で評価してしまう。
・パターン2: 他の部門より、部下をよく見せてやりたい。
・パターン3: 自分の評価に自信を持てない。
・パターン4: 部下を管理する能力や、部下との人間関係に自信がない。
・パターン5: 部下の仕事内容や行動を把握していないので評価できない。
・パターン6: 評価基準の理解が足りず、少し良いだけでも、いちばん良い評価をつけてしまう。

このように、部下に対する義理人情や偏った信頼感であったり、評価する人の自信のなさ、評価基準の認識に間違いがあることが原因で起こるエラーになります。

このエラーを防ぐためには、

A) 評価者の自覚と自信を持つ

まずは自分自身を適切に評価することで、自らを磨きましょう。
「是は是、非は非」と評価できる姿勢を養うことです。

B) 評価基準を良く理解したうえで、「根拠のある評価」をする

自信を持って評価するには、具体的な「根拠」をあげるようにしましょう。
根拠をあげるためにも、やはり日頃から部下を良く観察・接触しておく必要があります。

C) 評価基準のレベルは、評価する人全員で共通認識をもつ

基準にズレがないかを会社で確認し、適宜レベルを調整していきましょう。

「優しい上司」と思われたい気持ちは分かりますが、甘い評価ばかりでは部下の問題点がわからず、部下がまったく育たないという結果になりかねません。

なお、「寛大化傾向」と逆に、実際より「辛く」評価をするのが「厳格化傾向」です。
原因としては自信過剰であったり、「嫌い」という感情で評価してしまうことがあげられますので、エラーの防止も「寛大化傾向」と同様になります。

(3)中心化傾向

中心化傾向は、可もなく不可もなくといったように、評価が「普通」に集中する状態をいいます。

原因としては、部下の仕事がよくわからず、自信を持って「A」や「C」をつけられずに、真ん中の「B」にしてしまうこと。
また、部下の指導や育成にあまり興味がない「事無かれ主義」なこと。
さらには、上司や部下との関係構築が未熟で「事を荒立てない」ようにしたい、結果にあまり差をつけたくないなど、評価に消極的な上司などもあげられます。

このエラーを防ぐためには、

A) 部下の職務状況を記録して評価する

日頃から、部下の職務内容や勤務態度や成果を観察して、事実のみを具体的に記録しておき、その情報をもとに評価していきます。

B) 部下の育成・成長を願い、「育てるため」に評価する

これは評価者としての自覚を持ち、部下の育成を真剣に考えることが大切です。その上で部下の良いところ、悪いところを率直に言える関係構築を目指しましょう。

なお、「中心化傾向」と逆に、両極に評価が分散してしまうのが「分散化傾向」です。
こちらも「中心化傾向」と同様に、事実にもとづいた評価と育成の意識を持つことが、エラーを防ぐことにつながります。

(4)対比誤差

対比誤差は、評価者が自分のもつ特性や能力とは、反対の方向に評価してしまう傾向のことです。

例えば、
・事例1: 事前にあれこれと心配するよりも、実施にあたって臨機応変に対応するやり方を得意とする上司は、詳細を詰めるのに時間をかけたり、緻密に計画をたててから行動する部下のことを「優柔不断で行動力がたりない!」と厳しく評価してしまう。(上司が自分の得意なやり方に自信をもっている場合)
逆に、緻密な計画たててから行動するやり方が、「組織人として望ましい!あいつはすごい!!」と過大に評価してしまう。(上司が自分のやり方に自信がない場合)

・事例2: 何事も几帳面な上司が、同じく几帳面な部下に対して、「あいつはまだまだダメだ」と容易には評価しない。
逆に、ルーズな上司は、几帳面な部下を「規律正しくてすばらしい!」と見てしまう。

原因としては、上司の得意・不得意に評価が左右されてしまうことからも分かるとおり、自分の主観的な価値を基準に評価してしまうことがあげられます。
仕事で専門的な知識をもつ上司にも、この傾向が多いようです。

このエラーを防ぐためには、

A) 自分の特性や能力、強みや弱み、価値観など、自分をよく認識すること。

人を評価することは、自分も評価されることでもあります。評価者となったら、自分自身の特性などをよくよく見つめてみましょう。
また、自分とは反対の特性をもった部下や、同じような特性をもった部下を評価するときは、この点を意識して、十分注意のうえで評価するようにしましょう。

(5)論理的誤差

論理的誤差は、評価項目を論理的につなげて考えてしまい、関連のありそうな項目を同一に評価してしまう傾向のことです。

例えば、
・事例1: 仕事の理解度が浅くても、作業など指示された仕事を正確にこなしていると、仕事の理解度も高いと関連付けて考えてしまい、同一の評価をする。
・事例2: 判断力があるから専門知識も高いだろう。それに、知識があるということは、問題解決力もあるだろう。と判断する。

原因は、評価項目を論理的に考えることで、さまざまな評価項目を関連付けてしまい、評価項目の意味から外れた判断をしてしまうからです。

このエラーを防ぐためには、

A) 評価項目の意味を十分に理解したうえで、項目を分けて考えるようにすること。
B) 評価する事実をよく吟味して、「~だろう」という判断をしないようにすること。

(6)期末効果

期末効果は、評価の対象期間の中でも、直近の行動や印象に残ったことで評価してしまうエラーです。

原因はずばり!日頃から部下に関心があまりなく、評価する直前になって観察しはじめることがあげられます。
「そんな古い話、覚えちゃいないよー」ですね(笑)
また、部下も評価直前になってやたら頑張り始め、その行動や態度から判断してしまうこともありますし、逆に、直前に失敗した部下の評価を低くしてしまうこともあります。

このエラーを防ぐためには、

A) 日ごろから部下を観察して、事実を記録しておくこと。

つい忘れてしまいがちですが、評価の根拠になる事実を、日頃からメモしたり記録するようにしましょう。

いかがでしたでしょうか?
部下をもっと気にかけたくなりませんでしたか?!
かわいい部下のためにも!!(笑)
仕事ぶりを見て、事実にもとづいた適切な評価をすることで、お互いの成長につながるようにしていきたいですね!