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Yahoo!検索のSSL化で検索キーワードの取得が出来なくなる?!対策を調べてみた

2015.09.08

アクセス解析・Web解析

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2015年8月12日にYahoo! JAPANから発表された、『「Yahoo!検索」SSL化のお知らせ』は、Webサイトの制作・運営やWebマーケティングなどに携わる、Web担当者にとっては衝撃的なニュースだったのではないでしょうか?

なぜなら、Yahoo!検索での「検索キーワード」が、アクセス解析ツールを使っても取得できなくなるからです。
SSL化する理由や、検索キーワードが取得不可でも出来ることを調べてまとめてみます。

【1】SSL化する訳とは?!

まず、SSLとは何か?から。
SSL(Secure Sockets Layer)とは、パソコンとサーバ間の通信データを、インターネット上で暗号化して送受信するプロトコル(通信手順)のことで、SSL暗号化通信と言われたりします。これにより第三者によるデータの改ざんや盗聴、なりすましなどのリスクを防ぐことができます。

SSLによって、個人情報や企業データなどを安全に送受信できるので、ユーザにとっては安心してWebサイトを利用できることから、Webサイト自体の信頼にもつながります。世界的にもWebサイトの常時SSL化の流れは加速しているようです。

SSL化しているWebサイトの見分け方は、URLの前に「鍵」のマークがあるので、そこをクリックすると詳細情報(SSLサーバ証明書)を見ることができます。
また、URLが「http://~」ではなく、「https://~」と「s」が付いていることも特徴としてあげられます。

ssl_1

【2】SSL化で何が起こる?

SSL化はユーザにとっては良い事なのですが、Web担当者にとっては課題があります。
それが、どんな検索キーワードでWebサイトに来たのかが分からなくなるということです。

ここで疑問なのが「なぜSSL化すると、検索キーワードがアクセス解析で取得できなくなるのか?」ということです。
それは、Webの標準仕様で、HTTPS(SSL)で通信するページから、HTTP(非SSL)通信のページに移動するとき、リファラー(参照元)の情報を送信しないことにしているからです。

検索サイト大手のGoogleは、すでに常時SSL化していて、SSLから非SSLとページを移動したとき、Google Analyticsでアクセスログを見てみると、検索キーワードが(not provided)となってしまいます。
また、リファラー(参照元)も、(direct) / (none)と表示されます。

ssl_2
(参考)Google Analytics:集客<チャネル<Organic Search
ssl_3
(参考)Google Analytics:集客<参照元/メディア

 

ここでふと「SSL→SSLと移動する分には、検索キーワードが取れるのだから、全部のWebサイトをSSL化すればいいんじゃない?」と思いました。

しかし、SSL化しているHTTPSのサイトは、現在のWeb全体でも15%程度ということ。
世界的にSSL化しているとはいえ、非SSLサイトの方が圧倒的に多いのです。

さらに、Googleでは検索結果ページから検索先のページに移動するときに、いったんGoogleで非SSLのリダイレクトページに飛ばしてから、検索先のページを表示させており、このリダイレクトページでリファラー(参照元)の情報を削除してしまうようです。
つまりGoogle の場合は、SSL化したサイトでも、検索キーワードが分からない仕様になっているのです。

Yahoo!検索でも、今後は同じような仕様にする可能性があり、さらに検索キーワードの取得率が減少する事態も想定されるのです。

【3】検索キーワードが取得不可になっても対策ってないの?

では、検索キーワードが取得できなくなっても、Webサイトを分析するために出来ることはないのでしょうか?

(1)SimilarWeb(シミラーウェブ)やシビラ(sibulla)などの有料ツールを利用する。

SimilarWeb (シミラーウェブ)は、URLを入れるだけでWebサイトのアクセス解析ができるツールです。
無料でも利用できますが、利用できる範囲が少ないこともあり、Web解析が重要なマーケティングやコンサルティングの業界では、 有料のSimilarWeb Proを利用している方も多いのではないでしょうか?

SimilarWeb

 

プラグインを入れることで無料版を利用することもでき、キーワード分析なら上位10件まで見ることが出来ます。(有料版は上位500件~)

無料版のプラグインは、以下の手順で入手できます。

SimilarWeb19

トップページの「無料プラグイン入手」で、Firefox用もしくはChrome用を選んでクリック。

SimilarWeb5

(Chromeの場合)右上の「CHROMEに追加」ボタンをクリック。

SimilarWeb9

(Chromeの場合)ブラウザの右上にSimilarWebのアイコンが追加されました(①)
アイコンをクリックして出てきた画面の右上にある検索窓に、調べたいWebサイトのURLを入れて(②)
「SimilarWeb.com」を選択(③)

SimilarWeb20

解析結果画面を表示できます!

 

シビラ(sibulla)もサイト解析や、広告効果測定の他に、SEO効果測定として検索フレーズランキングを見ることが出来ます。

シビラ

SimilarWeb (シミラーウェブ)はURLを入れるだけなので、他社のサイトの状況も見ることができ、競合調査でも便利です。
シビラ(sibulla)は、 1つのアカウントで複数サイト(最大で10サイト)の解析が可能です。

(2)ページや広告の内容から予測する。

検索キーワードが分からないなら、想定できるような仕掛けをページや広告に取り入れることで、こんなキーワードで来ているのではないか?こんなキーワードが有効なんじゃないかな?と予測を立てることです。

Webサイトの特にランディングページでは、ボタンのクリックや申し込み、会員ログインやPDFダウンロードなど、さまざまな仕掛けを入れることが多いのですが、Google Analyticsのイベントトラッキングを設定することで、よりサイトに訪れたユーザの行動が分かります。

「こんなキーワードを使ったページでは、こんな行動をしている」というユーザの動きが分かると、キーワードの予測もつきやすいでしょう。

また、Yahoo!プロモーション広告のスポンサードサーチの利用も考えられます。
スポンサードサーチは、広告がクリックされたときだけ、費用が発生する「クリック課金型」の広告で、リスティング広告(検索連動型広告)のことです。

スポンサードサーチを利用しているときは、Yahoo!アクセス解析を使うことができるので、広告の出稿もひとつの手段として検討してみてください。

 

(3)Google Search Console(サーチコンソール)の結果を参考にする。

Google Search Console(サーチコンソール)とは、今まではウェブマスターツールと呼ばれていましたが、2015年にGoogle Search Console(サーチコンソール)と名称を変更した、Googleが提供するサイト改善のための無料ツールのことです。
自分のWebサイトが現状でどんな状態なのか?Googleはどう評価しているのか?が分かります。

Search Console はGoogleの検索キーワードについてのデータだけなので、Yahoo!検索のキーワードは分からないのですが、 GoogleとYahoo!で、日本の検索エンジンの利用比率をほぼ占めていることを考えると、 Google検索のキーワードも参考に出来そうです。

Search Console では「検索クエリ」という機能があります。
検索クエリでは、検索キーワードごとに、ユーザがどのくらい自分のWebサイトに来ているのかが分かります。
キーワードがGoogleにどれくらい表示されて、どれくらいクリックされているのか?検索順位はどのくらいなのか?ということも分かるので、キーワードごとの分析をすることで対策を立てることは出来そうです。

 

いずれにしても、ユーザにとっては安心なSSL化です。

WebサイトをよりよくしていくWeb担当者は、SSLの流れにため息をつかずに、新しい方法を模索したり、検索キーワードに頼らない魅力的なコンテンツを発信していきましょうね。

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